本記事では、Avutl2(AviUtl拡張編集プラグイン)に収録されている主要なエフェクトをカテゴリ別に整理し、それぞれの特徴と使い道・設定ポイントを丁寧に解説します。導入済みの標準エフェクト約48種類を網羅的に紹介し、アニメーション効果はデフォルトで24種類を詳細にレビューします。
基本エフェクト:色調補正・発光・輪郭補強など
Avutl2には、まず色調補正・色ずれ・単色化・グラデーション・拡張色・特定色域変換・縁取りなど、画質・カラー系のフィルタが含まれています。
- 色調補正:明るさ、コントラスト、彩度、色相を調整し、素材の印象を自在に変化。
- 単色化・グラデーション:ビジュアルをモノクロやグラデーション表現に統一可能。
- 縁取り:オブジェクトやテキスト周囲に線を加え視認性を向上。特に字幕やラベルに有効。
また、発光・閃光・拡散光・グロー・ライト・シャドーなどの
光系エフェクトでは、オブジェクトに光を当てたり「発光させたり」、影やぼかしのような光の演出を追加できます。視覚にインパクトを与える場面で多用されます。
歪み・変形エフェクト:ラスター・波紋・ミラーなど
次に、ラスター・波紋・極座標変換・ディスプレイメントマップ・ミラーなど、オブジェクトを歪ませる変形系のエフェクト群。表現の幅を広げる演出的な効果が得られます。
- ラスター:ぐにゃっとした歪みを加えて動きを出す。
- 波紋:水面のような広がりを表現。
- 極座標変換:オブジェクトを渦巻状や丸型に変形。
- ディスプレイスメントマップ:別テクスチャで歪ませる際に使用。
- ミラー:左右または上下反転し、鏡映し・対称構図の演出に。
ブラー系エフェクト:動きを強調する残像表現
放射ブラー・方向ブラー・レンズブラー・モーションブラーなどは、動きや焦点に応じてぼかしを加えることができ、シーン切り替えや高速移動の演出に効果的です。
ぼかし・モザイク系:素材の隠蔽やソフト化
「ぼかし」「境界ぼかし」「モザイク」は、映像上の隠したい部分を目立たなくするだけでなく、柔らかな質感を表現したい時にも使えます。部分的に適用する「部分フィルタ」機能と併用すると便利です。
切抜き・マスク・クリッピング系
クリッピング、斜めクリッピング、マスクなどを使えば、映像の指定領域だけを切り取るトリミング処理が可能です。特定の形で素材を切り抜く場合など、応用範囲は広いです。
透明化系:クロマキー・カラーキー・ルミナンスキー
背景を透過したい場合には、クロマキー(緑幕)・カラーキー・ルミナンスキー(輝度基準)を利用し、指定色や輝度の部分を透明化できます。複数の素材を重ねる合成に必須の機能です。
輪郭強調系:シャープ・凸エッジ・エッジ抽出
オブジェクトやテキストの輪郭を際立たせたい場合、シャープや凸エッジ・エッジ抽出といったエフェクトが有効です。映像の質感や境界を強調したい時に活用します。
シーンチェンジ系エフェクト
画面切り替えに使えるエフェクトとして、クロスフェード、ワイプ(円/四角/時計)、スライド、キューブ回転、ページめくり、押し出し、放射ブラー、レンズブラー、ランダムライン、発光など多数を搭載。動画編集の演出力を強化します。
振動・ノイズ系エフェクト
振動ではオブジェクトに揺れを与え、ノイズでは映像に砂嵐や影のようなざらつきを加えることができます。演出のアクセント付けに有効です。
画像ループ(ミラー・ループ)
画像を縦横にコピーし並べたり、鏡映しにすることで錯覚的な構図や繰り返し効果を生み出せます。パターン的な演出や背景処理に便利です。
アニメーション効果:24種の標準アニメーション
Avutl2には、あらかじめ24種類のアニメーション効果が標準搭載(デフォルト)されています。:以下に主なアニメーション効果と特徴を紹介します:
- 震える:オブジェクトをランダムに震えさせる(振幅・角度・間隔設定)
- 振り子:ゆらゆら揺れる動き(速さ・角度・ずらし)
- 弾む:バウンドする演出(速さ・高さ・角度・ずらし)
- 座標の拡大縮小(文字毎):文字ごとに個別に拡大縮小
- 画面外から登場・ランダム方向から登場:外側から現れる動き(回転・ライトなど)
- 拡大縮小して登場・弾んで登場:サイズを変えて登場する演出
- ランダム間隔で落ちながら登場:文字やオブジェクトがランダムに落下して現れる
- 広がって登場・起き上がって登場・何処からともなく登場:個性的な登場演出
- 反復移動・座標回転・立方体・球体・砕け散る・点滅・点滅して登場・簡易変形・リール回転・万華鏡・円形配置・ランダム配置:多彩なアクションや配置効果。
スクリプト/プラグインによる拡張エフェクト
標準以外にも、さまざまなスクリプトやプラグインによってエフェクトを拡張できます。例えば:
- さつき氏のTA系・タイピング表示・メーター
- ティム氏の集中線・色調補正セット・フォトショ風フィルター
- rikky氏のタイピング・書道・お絵かき・矢印・枠表現など
- 金の髭氏の多角形配置・3Dリピート・螺旋・球状配置など
- カメ氏の吹き出し・寸法線風テキスト表現
これらを組み合わせることで、さらに高度な演出を簡単に実現可能です。:contentReference[oaicite:15]{index=15}
まとめと活用のヒント
以上、Avutl2(AviUtl拡張編集プラグイン)に搭載されているエフェクトをカテゴリ別に整理し、標準48種+アニメーション24種のエフェクト群を詳しく解説しました。
使い方のポイントとしては:
- 部分フィルタを併用して対象を限定することで、必要な部分だけを効果的に演出できます。
- 複数エフェクトの重ね掛け(例えば、色調補正+発光+ワイプ)で映像表現の幅を広げる。
- 文字オブジェクトでは「文字毎に個別オブジェクト」設定を活用して、震える・振り子・ランダム登場などの演出を文字単位で適用。
また、スクリプトやプラグインを導入すれば、標準にない効果も簡単に追加できますので、用途に応じて柔軟に拡張可能です。
ご希望であれば、特定のエフェクトの使い方やパラメータ設定例、応用テクニックなど、さらに詳しく解説いたします。どうぞお気軽にお知らせください。
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