はじめに
AviUtlは、KENくんによって開発された日本発の無料動画編集ソフトであり、Windowsユーザーに長く支持されてきました。2025年7月、ついに次世代版である「AviUtl2（ExEdit2）」のベータ版が公開され、6年以上止まっていた開発に再び動きがありました。本記事では、その特徴と導入方法、AviUtl1系との違い、今後の展望について詳しく解説します。
AviUtlとは？
AviUtlは1997年に開発が始まり、主にWindows向け32ビットソフトとして成長しました。基本的な動画編集機能に加え、拡張編集プラグインでレイヤー構成や豊富なエフェクトが可能です。CPU負荷が軽く、低スペックPCでも快適に動作します。ただし、32ビット版ゆえに最大4GBのメモリ制限があり、大容量のプロジェクトでは制限が顕在化していました。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
AviUtl2（ExEdit2）とは？
2025年7月7日、AviUtl本体と拡張編集プラグインをゼロから作り直した64ビット対応版、「AviUtl ExEdit2 beta1」（通称AviUtl2）がリリースされました。これはWindows 10以降、DirectX 11.3とAVX2に対応するPC環境で動作可能です。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
AviUtl2の主な特徴
- 完全な64ビット対応により、4GB以上のメモリ使用が可能（32ビットでの制限を克服）:contentReference[oaicite:3]{index=3}
- UIが統合され、従来版より現代的な操作環境に刷新されている（ウィンドウ統合＋直感操作）:contentReference[oaicite:4]{index=4}
- 英語などの多言語対応が可能なUTF‑8形式のテキストUIを採用。インストーラー版では英語UIが利用可能です:contentReference[oaicite:5]{index=5}
- ExEdit機能をはじめ多数のプラグインやスクリプトに対応しつつ、互換性を維持しています:contentReference[oaicite:6]{index=6}
AviUtlとAviUtl2の違いまとめ
| 項目 | AviUtl（従来版） | AviUtl2（ExEdit2 ベータ） |
|---|---|---|
| ビット数 | 32ビット（最大4GBメモリ） | 64ビット（4GB以上使用可） |
| 対応Windows | Windows XP〜10（32ビット） | Windows 10以降（64ビット） |
| UI構成 | 複数ウィンドウ構成 | 統合UIでモダン設計 |
| 多言語 | 基本日本語 | UTF‑8対応で英語など可能 |
| プラグイン互換性 | 多く存在するが古い | 互換維持＋新設計対応 |
AviUtl2を使うメリット
64ビット対応により大容量プロジェクトでも安定した動作が期待できます。UIが統合されモダン設計なので、初見でも操作しやすくなりました。さらに、UTF‑8形式でのUI作成により英語や他言語での利用もスムーズです。さらに実際の使用感については、Redditユーザーから“Messing around with the AviUtl2 release and it’s pretty good… it’s tempting to try using it over davinci just for how fast it is.”という声も上がっており、速度や快適性にも期待が寄せられています。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
AviUtl2の注意点とデメリット
ベータ版であるため、一部プラグインとの互換性問題が起きる可能性があります。対応環境も限定的であり、DirectX 11.3・AVX2対応GPUが必須です。古い32ビットプラグインやスクリプトが動作しないケースもあり得るため、導入前に検証が必要です。:contentReference[oaicite:8]{index=8}
インストールと導入方法
公式サイト「AviUtlのお部屋」では、AviUtl ExEdit2 beta4まで順次更新される形式でファイルが提供されています。ZIP版とインストーラー版があり、インストーラー版では英語UIも選択可能です。インストールには通常、ZIPの展開やSDKの配置、言語ファイル（.aul2）などの導入が必要です。最新betaは2025年7月27日付のbeta4まで公開されています。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
導入手順の概要
- 公式サイトから最新「AviUtl2betaX.zip」または「AviUtl2betaX_setup.exe」をダウンロード
- ZIP版は解凍後、任意場所に配置。EXE版はインストーラーでセットアップ。
- AviUtl本体とExEdit2が統合された状態で起動可能。
- 必要に応じて、言語ファイル（.aul2）を導入してUIを多言語化。
実践とチュートリアル
AviUtl従来版やAviUtl2でも、基本的な操作（カット編集、トランジション、字幕挿入、色調補正、エンコードなど）は共通です。AviUtl2でもプラグイン導入やスクリプト追加によって、より高度な編集が可能となります。
従来から利用されている「AviUtl Package Manager（APM）」は、プラグインやスクリプトの管理・更新にも便利なツールであり、AviUtl2にも今後対応が進む可能性があります。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
今後の展望
AviUtl2の正式リリースが待たれる中、今後は安定版への移行、プラグインの完全互換化、多言語UIの広がりなどが予想されます。特に64ビット化によるメモリ制限の解消とモダンUI設計によって、より多くのユーザー層がAviUtlへの移行を検討する可能性があります。
まとめ
AviUtl2（ExEdit2）は、AviUtlの核となる思想を継承しつつ、最新の環境で動作する64ビット完全対応・統合UI・多言語対応を実現した次世代バージョンです。ベータリリースながらも、多くのユーザーから高評価が集まっており、今後の正式リリースおよびエコシステムの発展に注目が集まります。
導入を検討される場合は、公式サイトで最新ファイルを確認し、ベータ版ゆえの注意点にも留意してご活用ください。
コメント